銀のゆり(宮沢賢治生誕100年記念)1996年金子健二作
童話「雪渡り」より
「狐こんこん狐の子、去年狐のこん助が、焼いた魚を取ろとしておしりに火がつききゃんきゃんきゃん。」
キック、キック、トントン。キック、キック、トントン。キック、キック、キック、キックトントントン。
そして三人は踊りながらだんだん林の中にはいって行きました。赤い封蝋(ふうろう)細工のほおの木の芽が、風に吹(ふ)かれてピッカリピッカリと光り、林の中の雪には藍色(あいいろ)の木の影(かげ)がいちめん網(あみ)になって落ちて日光のあたる所には銀の百合(ゆり)が咲いたように見えました。
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