小原家住宅(国指定重要文化財)
小原家は、規模からみてこの地方の標準層の農家であったと考えられ、古い時代に真屋から曲屋に改められたものとみられている。
その建立年代については明かではないが、住宅の平面や構造手法からみて十八世紀中頃の建設と推定され、また、小原家の本家物部家の系譜によれば当家の始祖が十八世紀の中頃に分家しているのでその頃の建設と充分うかがわれる。
建立後生活の便宜上から嘉永五、六年頃になって建物の改造が行われ、背面下屋の拡張、南面に突出した「まや」の部分もこの時代に取り付けられ曲屋になったものと思われる。
建物は桁行八間(16.3m)、梁間五間半(10.5m)の主屋部に、三間四方(32.5u)の「まや」を突出し、主屋の桁が「まや」のいの突出部に取りつく位置まで間口全面におよんでおり、こうした構造からみて曲屋の発生過程が真屋からの発展としてうかがえる貴重な民家で、昭和四十四年重要文化財として指定され、その後所有者小原忠八氏が新居を建築することとなっスため、東和町がこれを譲り受け、東南約500mの旧所在地から現在地に移築復元したものである。
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